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日本語不正オンライン薬局のセーフヘイヴン、GMOインターネットの対応について

これは「ばいあぐらジェネリック通販.net」という薬機法に違反するウェブサイトのスクリーンショットです。

ばいあぐらジェネリック通販.net

この「カマグラゴールド」という医薬品はインドで流通しているものですが、日本では承認されていませんので「未承認医薬品」とみなされます。「ご購入はこちら」をクリックすると、販売ウェブサイトの 「kusuriexpress.com」 にリンクします。「ばいあぐらジェネリック通販.net」と「kusuriexpress.com」は、どちらも、未承認医薬品の広告を禁止する日本の薬機法68条に違反しているウェブサイトです。

このドメイン名は日本最大のレジストラである「GMOインターネット」に登録されています。

このドメイン名「ばいあぐらジェネリック通販.net」について、レジットスクリプトは2016年4月14日、4月21日、7月3日、7月14日、7月22日と4ヶ月間に渡って5度「GMOインターネット」に対してドメイン名の停止を要請し、何度も違法性を説明しています。8月11日現在、未だに違法行為は続いています。

この「ばいあぐらジェネリック通販.net」がもし、アメリカやインド、フランスなどの協力的なレジストラに登録されていれば、迅速に(多くの場合、即日で)閉鎖されます。世界中のほとんどのレジストラが、日本語を解さないにも関わらず、このような不正な日本語のウェブサイトについての閉鎖要請を受け、喜んで閉鎖をしてくれます。世界のドメイン名シェアでのトップ15のレジストラの中で、ドメイン名の停止を頑なに拒否しているのは、日本のGMO、ただ一社です。

レジットスクリプトは複数回GMOとやり取りを行い、なぜこの「ばいあぐらジェネリック通販.net」についてドメイン名停止の対応がなされないかをGMOに質問しました。以下がGMOとレジットスクリプトとのやり取りの一部です。

レジットスクリプトからGMOインターネットへの一つ目の質問「GMOインターネット様は、ドメイン名:ばいあぐらジェネリック通販.netに薬事法違反があるとお考えでしょうか。それとも、違反はないとお考えでしょうか。」

という質問については、

「まず初めにお断りさせていただきたいのですが当社は法律の専門家ではございませんので、違法か否かについての回答については、出来うる立場にございません。つきましては、本件についての回答は出来ませんのでご理解賜りたくお願い申し上げます。」

という回答を拒否する返信がきました。

二つ目の質問「GMOインターネット様としては、GMO以外がサーバーの場合には、ドメイン名停止の対応を行わない、という理解で正しいでしょうか。GMOの利用規約(http://www.onamae.com/agreement/a_ag/registration.html)には、「法令に違反しまたは違反するおそれがある場合」、「登録者その他の第三者に対し通知,催告その他手続きを要することなく(中略)登録申請の拒否,登録の取消,登録の移転,使用の一時停止,利用制限その他,当社が必要と考える措置を行うことができるものとします」とあり、「その理由を開示する義務を負わない」と明記されています。しかしながら、GMOインターネット様は、「法令に違反しまたは違反するおそれがある場合」にも、サーバーがGMO以外の場合には「登録申請の拒否,登録の取消」を行わない、という方針である、と理解してよろしいでしょうか。」

という質問については、

「GMOインターネットからの回答」以前お話させていただいた内容と同様、規約通り、また電気通信事業法に則った対応を行っております。お問い合わせいただいた内容については、以上の回答となります。」

という返答でした。

更にGMOは、

「私どもとしても、違法性が明確に指摘されていないこと、またドメイン管理者様に連絡が取れ、改善の意思があることから、当社利用規約および日本の現行法に基づく状況下では、これ以上の対応ができない状態でございます。」

という返答をしてきました。

GMOは「ドメイン名管理者(つまりは犯罪者)に連絡が取れ、改善の意志がある事から、日本の現行法に基づいて違法ドメイン名の停止はできない」と主張しています。

一方で、この「ばいあぐらジェネリック通販.net」の運営者からは、レジットスクリプトに直接連絡があり、「GMOの〇〇様からそちらに連絡して説明してくれとのことでしたのでメールします」と以下のようなメールがありました。

「当サイトはアフリエイトプログラムの運用をしています。海外医薬品の啓蒙活動を行っています。当方では商品を仕入れて販売をしておりません。当然在庫は一切ありません。(中略)最後に海外医薬品の個人輸入は法律で認められていますが、この個人輸入のどこがいけないのでしょうか?あくまでもその医薬品を使うのは自己責任だということです。以前耳にした話では、ある方がガンになり国内の医薬品では治療できないということで、藁にもすがりたい一心で海外で使われている医薬品を個人輸入したという話も聞いたことがあります。以上まとめますと、当方は啓蒙活動をしているだけです。」

と主張してきました。GMOはこのドメイン管理者に「改善の意志がある」と判断したようですが、私たちレジットスクリプトには、そうは見えません。レジットスクリプトからウェブサイト運営者へは「kusuriexpress.com につながるリンクを全て外し、ウェブサイト上から「バイアグラ」などの薬名を全て消されない限り、このウェブサイトに対しての閉鎖要請を取り下げる事は致しません。」と返答しましたが、実際にGMOに通知を行ってから5ヶ月が経っても、ウェブサイトの内容は全く改善されていません。

このウェブサイト運営者は4つの誤解をしています。一つ目は、「アフィリエイトだから違法ではない」という誤解です。アフィリエイトでも、未承認医薬品の広告を行っている限り、薬機法に違反とみなされます。二つ目の誤解は、「在庫がないから、自分は医薬品を販売していない、単に啓蒙活動を行っているだけである」と主張する点です。リンクを辿って医薬品の購入が実際にできるので、「単なる啓蒙活動」ではなく、法律で禁止されている「未承認医薬品の広告」である事は明白であり、厚生労働省も薬機法違反がある事を確認済みです。三つ目の誤解は、「国内の医薬品では治療できない」という点です。このウェブサイトが広告している製品は、インドのバイアグラである「カマグラ」など、「ガンになり国内の医薬品では治療できない」という類の医薬品ではありません。単に、「安価である」という理由から、国内で承認されている医薬品の代わりとして使用されるであろう未承認医薬品です。癌の治療薬の輸入の必要性とは異なる種類の話です。四つ目の誤解は、「医薬品を使うのは自己責任だから自分には責任がない」と考えている事です。当然の事ですが、何を広告・販売して良いかを知るのは広告・販売を行う者の責任であり、購入者の責任ではありません。

GMOの判断である「ドメイン名管理者(つまりは犯罪者)に連絡が取れ、改善の意志がある事から、日本の現行法に基づいて違法ドメイン名の停止はできない」という判断にも問題があります。まず、違法行為があるドメイン名をICANNとの契約、また、自社の利用規約に基づいて停止行う事を禁じるような日本の法は存在しません。また、このウェブサイトは、不正ウェブサイトのほんの一部に違反があり、その部分を是正すれば違反が全くなくなるような種類のウェブサイトではありません。このドメイン名使用の主な目的が「不正に未承認医薬品の広告・販売を行う事」であるのは明らかです。ドメイン名自体も「ばいあぐらジェネリック通販.net」とうたっています。バイアグラは医療用医薬品ですから、通販はできない種類の医薬品です。また「ばいあぐらジェネリック通販.net」のドメイン名自体に商標侵害もあります。「犯罪者は5ヶ月間が経っても違法行為をやめないが、今後違法行為をやめるかもしれないので、違法行為を放置しておく」というGMOの対応は、社会的に問題があるのではないでしょうか。

なぜGMOは違法行為に利用されているドメイン名を停止する必要があるか、という疑問には、明確な回答が存在します。GMOはICANNの認証を受けていますので、ICANNの「違法行為を行う事を目的としてドメインの登録を行ってはならない」という規約を守る必要があります。また、ICANNは「不正行為の報告がなされた場合には、レジストラは24時間以内に報告を確認し、必要かつ適切な措置を講じる」と規定しています。つまり、GMOはレジストラとして、違法行為に使用されているドメイン名の登録を行ってはならない事、また、不正行為の報告がなされた場合には、迅速に必要かつ適切な措置を講じる義務がある事は明らかです。更に、上記の通り、GMOは自らのドメイン名利用規約でも違法行為を禁止しています。しかし、GMOはレジットスクリプトが報告したドメイン名が違法行為を続けているにも関わらず、「規約通り、また電気通信事業法に則った対応を行っております」と主張をし続けています。

また、GMOは弊社レジットスクリプトへのメールで、「御社または御社へ違法サイトの確認を依頼されている日本の厚生労働省様から日本の裁判所へ申立てを行っていただき、「ばいあぐらジェネリック通販.net」のドメイン停止に関する命令が発令されることがあった場合には、私どもとしてもその命令に則った対応が可能でございます」、と特定のドメイン名についての裁判所命令がなければドメイン名の停止を行えないという主張もしています。しかし、この「裁判所命令が必要」というGMOの主張が世界標準で見ても間違っている事は明白です。ICANNははっきりと、ドメイン名停止の停止に対して、裁判所の命令は必要でないと明言しています。ICANNからの手紙(http://www.legitscript.com/download/ICANN_Letter_regarding_domain_name_suspensions.pdf)にも “the registrar does not need a court order(レジストラはドメイン名を停止するにあたり、裁判所命令は必要ではありません)” とあります。世界中の大手レジストラが裁判所命令なしで不正に使用されているドメイン名の停止を行っています。GMOだけがそれができないのはなぜでしょうか。何ヶ月もかけ、一つ一つのドメイン名について裁判所命令を取る事は非現実的であり、日本の司法サービスの無駄遣いではないでしょうか。

GMOは更に、「当社としても違法だと判断されたサイトは1つでも無くしたいという思いは同じですので、ぜひ御社でも日本の法に則ったご対応を検討いただきたく、ご協力を賜れませんでしょうか」とレジットスクリプトが厚労省の委託を受け、厚労省の委託業務の仕様書に則して行っている閉鎖要請が、さも日本の法に則していない間違った要請であるかのように主張しています。

レジットスクリプトは現在、薬機法に違反し、危険な未承認医薬品の広告・販売を行うウェブサイトを約2,300件確認しています。そのうちの約1,600件、実に全体の3分の2がGMOに登録されています。私たちレジットスクリプトは、厚労省の委託を受け、世界中のレジストラやレジストリに日本の薬機法に違反し、危険な未承認医薬品の広告・販売を行うウェブサイトについての閉鎖要請を行っています。レジットスクリプトは、国民の皆様の大切な税金を頂き、日々最大の努力をしています。しかし、「ばいあぐらジェネリック通販.net」を始めとする日本語不正ウェブサイトの全体の3分の2は、「非協力的なGMOインターネットに登録されている」という理由のために、閉鎖ができない状態です。

ばいあぐらジェネリック通販.net」のたった一つの例についても、4ヶ月以上に渡って5回の通知を行っていますが、未だに閉鎖する事が出来ません。GMOにはまだ同じような不正ウェブサイトが約1,300件残っており、その数は日々増えています。不正医薬品販売業者もGMOが「セーフヘイヴン」である事を認識しており、私たちが海外レジストラ経由で千単位で閉鎖を進めても、GMOに逃げ込み、GMO上で増殖する、という現象が起きています。

レジットスクリプトは、GMOは同社に登録されている不正ウェブサイト「ばいあぐらジェネリック通販.net」を始めとする約1,300件の不正医薬品販売ウェブサイトについて、ICANNのレジストラ認定規約、またGMO自らのドメイン名利用規約に従い、ドメイン名の停止を行うべきだと考えます。

追記:

GMOは以前から、「レジストラではなく、サーバーに通達しなければならない」と主張していますが、GMOは「レジストラもサーバーもGMOのもの」についても、対応していません。以下はレジットスクリプトが2015年5月に通知済みであり、現在もレジストラもサーバーもGMOにあるにもかかわらず、未だに対応されていないウェブサイトの一部です。これ以外にも多数存在します。

バイアグラ通販偽物.net (GMOに通知済み。レジストラもサーバーもGMO)

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lamaypermanentmakeup.com (GMOに通知済み。レジストラもサーバーもGMO)

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ドメイン名を停止し、登録期限が切れるまでロックをかける事ができるのはレジストラだけです。サーバーにその権限はありません。サーバーレベルで違法コンテンツを消しても、同じドメイン名を使ったまま、簡単に他のサーバーに移転を繰り返す事ができるので、サーバーレベルでの停止は違法行為を止める根本的な解決法にはなりません。なぜ「サーバー」ではなく「レジストラ」がドメイン名の停止をする必要があるか、という点についての詳しい説明は、弊社が以前発表しましたこちらのブログ(https://www-staging.legitscript.com/blog/2016/01/違法医薬品販売ウェブサイトとgmoインターネット/)をご参照下さい。

引き続き、レジットスクリプトはGMOインターネットに対し、ICANNのレジストラ認定契約、また、GMO自らのドメイン名利用規約に基づき、薬機法に違反して未承認医薬品の広告に利用されているドメイン名の停止を行うよう要請を続けます。