インターネットの普及以来、オンラインでの商取引(EC)は世界中で活発に行われています。その中でも特に近年急速に拡大しているのが、CtoC(Constumer to Consumer)と定義されるフリマアプリやネットオークションなどの市場です。政府統計によると、このエリアの市場規模は2兆円まで拡大しています。
CtoC市場では、プラットフォームを利用して個人がアカウントを開き、一定の制約はあるものの、基本的には様々な種類の商品を出品することができます。フリマアプリでは、出品者が価格をあらかじめ設定しますが、ネットオークションでは、購入を希望する消費者により価格がオークションで決められます。これらの市場では、ブランド中古品など、消費者がいらなくなったものを手軽に出品できたり、個人アートなど、一般には売られていないような商品が見つかったり、といった利点があります。その一方で、利用規約で禁止されているにもかかわらず、売られるべきではないものが頻繁に出品され、取引されているという事実もあります。運営側はこうした出品を定期的にチェックし、見つかった違反品は取り下げられますが、その側から新たな出品も繰り返され、いたちごっこの様相を呈していると言っても過言ではありません。
その中には、消費者の健康に危害を及ぼす恐れのあるような商品も含まれています。例えば、日本で承認されていない、しかも本来であれば処方箋の必要とされる医薬品があります。ED治療薬やAGA治療薬、ダイエット薬やサプリメントと称して医薬品成分の入っている海外製品、また医薬品成分の入ったまつげ美容液などが、フリマアプリでは頻繁に売られています。また、ニコチンの入った電子タバコリキッドも、よく出品されていますが、ニコチンは日本では医薬品成分と見なされており、ニコチン入りの電子タバコリキッドは、薬機法に基づいて承認を受けなければ、広告販売することはできません。そして、現在承認を受けたニコチン入りの電子タバコリキッドというものはありません。
他にも、偽物のブランド品やゲームカードなど、消費者を搾取する目的で出品されているようなケースもニュースで度々報告されています。
こうした商品は全て違法であり、ペイメントプロバイダにとってはカードブランドルール違反のリスクが伴います。レジットスクリプトはモニタリング業務の中で、こうしたフリマ市場を提供する加盟店を注視するだけでなく、出品リストを監視するというマーケットプレイスのモニタリングサービスも提供しています。