「ポビドンヨード」という成分を含むうがい薬で1日4回のうがいをした新型コロナウイルス陽性の軽症患者で、唾液中のウイルスの陽性頻度が低下したーーー。コロナ禍で引き続き世間が落ち着かない中、大阪府と大阪府立病院機構「大阪はびきの医療センター」がこのような臨床研究の結果を発表しました。そして、市民にうがい薬の使用を励行する呼びかけが行われました。
これを受けて、まず「イソジン」などのうがい薬が薬局から相次いで売り切れる事態となりました。そして次に、こうしたうがい薬がオンラインのフリマで個人出品されていることが明らかになりました。
生活必需品が店頭から消え、フリマで高額で取引されるーーー。これはコロナ禍の初期から問題となっていた、マスクや消毒液の転売とも共通する現象です。しかし今回特にこれが問題視されているのは、「ポピドンヨード」を含むうがい薬は第三類医薬品というものに該当し、許可を持つ薬局等でなければ売ってはいけない医薬品であるということです。フリマで許可なく販売することができない商品について、東京都からも呼びかけが行われています。
日本のフリマ市場は大きく、売られている商品も多岐に渡ります。普通のお店では見つからないようなものが買えたり、いらなくなったものを手軽に処分できたり、といった利点がありますが、その一方で、利用規約で禁止されているにもかかわらず、売られるべきではないものが頻繁に売られているという事実もあります。フリマ側はこうした出品を定期的にチェックしていますし、見つかった違反品は取り下げられますが、その側から新たな出品も繰り返されています。
マスクや医薬部外品が高額で転売されていること自体も問題ですし、こうした商品の高額転売が違法扱いになったこともありますが、医薬品を無許可で販売することは常に違法です。今回のうがい薬は薬局で市販されている承認された医薬品でしたが、フリマ市場ではさらに輪をかけて違法なものが売られているという現実もあります。
代表的なものは、日本で承認されていない、しかも処方箋の必要な医薬品。ED治療薬やAGA治療薬、医薬品成分の入ったまつげ美容液などがフリマ市場では頻繁に売られています。また、ニコチンの入った電子タバコリキッドも、フリマ市場でよく見かけますが、ニコチンは日本では医薬品成分と見なされており、ニコチン入りの電子タバコリキッドは、薬機法に基づいて承認を受けなければ、広告販売することはできません。そして、現在承認を受けたニコチン入りの電子タバコリキッドというものはありません。さらに、偽物のブランド品やゲームカードなども、フリマ市場で出品されていたというニュースが後を絶ちません。
このような違法な商品の出品は消費者に危険を与えるのはもちろん、ネットオークションやフリマアプリの運営においても大きなリスクであり、オークションに向けてクレジットカード決済サービスを提供するペイメントプロバイダーにとってもカードブランドルール違反のリスクが伴います。レジットスクリプトはネットオークションやフリマアプリ運営者を対象としたモニタリングサービスも提供しています。