
決済リスクを取り巻く環境が高度化・複雑化する中で、アクワイアラ、決済ファシリテーター、ならびに加盟店に適用されるルールも継続的に見直されています。こうした流れを受け、VisaはVisaインテグリティ・リスク・プログラム (VIRP) における基準を更新しました。この更新にはアダルトコンテンツ、出会い系サービス、およびエスコートサービスが対象分野に含まれます。今回のアップデートにより、加盟店の分類、透明性、およびコンプライアンス(法令遵守)に対する要求水準が引き上げられました。これに伴い、Visaはアダルト関連の加盟店、および出会い系やエスコートサービスを提供する事業者に関するガイドラインを最新の内容へと改定しています。
Visa、アダルトコンテンツ・出会い系・エスコートサービスのガイドラインを更新
Visaは、アダルトコンテンツ、出会い系、およびエスコートサービスを提供する加盟店を対象とした「ティア1(高完全性リスク)」基準を改定しました。これらの加盟店は、不正利用、売春、人身売買などのリスクが高いとみなされています。そのため、Visaはこれらの事業者に対し、監視の強化、手数料の引き上げ、およびより厳格なコンプライアンス要件を課しています。ティア1に該当する加盟店を効果的に追跡・管理するため、今回の改定における重要な要素となっているのが「MCC(加盟店業種コード)」の適切な運用です。Visaは現在、以下の事項を義務付けています。
- MCC 7273 エスコート、出会い系、およびマッチングサービス
- MCC 5967 アダルトコンテンツ(AI生成によるアダルトコンテンツを含む)
適切なMCC(加盟店業種コード)を使用していない加盟店は「コード誤設定(miscoded)」とみなされ、是正措置や制裁の対象となる場合があります。
AI生成による露骨なコンテンツに対するレジットスクリプトのアプローチについての詳細は、ディープフェイクに潜む真の危険性:AI画像生成ツールへの規制強化をご参照ください。
万全のコンプライアンス体制をサポート
カードブランドが定める基準への遵守を怠ると、決済処理業者やアクワイアラーは、多額の罰金の発生や、業界における信頼の失墜を招く恐れがあります。特に、正確なMCC(加盟店業種コード)の設定は極めて重要です。なぜなら、MCCは加盟店が負うべきリスク、適用される手数料、そして規制上の義務を正しく評価するための基盤となるからです。
レジットスクリプトの報告手法は、Visaの最新ガイドラインであるVIRPに準拠しており、決済処理業者の皆様がカードブランドの基準を確実に遵守できるようサポートいたします。私たちのアプローチには、以下が含まれています。
エスコートおよびデーティングサービス — MCC 7273
レジットスクリプトでは、通常のモニタリングの一環として、デーティングおよびマッチメイキングサービスを監視対象として報告しています。これらのサービス自体は必ずしも違法ではありませんが、売春、人身売買、不正行為といったリスクが高まる可能性があります。
MCC 7273を設定せずにこれらのサービスを提供している加盟店は、VIRPガイドライン違反として報告されます。一方で、正しいMCCを使用している場合であっても、Terms & Conditionsとして報告対象となり、ネガティブオプション課金や不正行為などの追加のリスク指標が存在する場合には、より高リスクとしてエスカレーションされることがあります。
また、レジットスクリプトでは、売春およびエスコートサービスも報告対象としており、売春が違法とされる地域でこれらのサービスを提供する加盟店については、VIRPガイドライン違反として報告されます。
アダルトコンテンツ — MCC 5967
レジットスクリプトでは、必要なMCC 5967を欠いたアダルトコンテンツをVIRPガイドライン違反として報告します。また、過激なアダルトコンテンツを模倣した商材や、それらを想起させるフィクション描写を含むコンテンツを提供する加盟店についても、「高リスク」として報告対象となります。その際、必要に応じて、お客様側からコンテンツ削除リクエストが可能になります。なお、こういった類のコンテンツを主に提供する加盟店は、VIRPガイドラインに対する違反として報告されます。
例としては、獣姦や合意のない性的行為を描いたフィクションが挙げられます。Visaと同様、レジットスクリプトは、実際の違法行為、特に合意のない性的行為や児童性的虐待コンテンツ(CSAM)を描いたウェブサイトに対しては、一切の容認をしません。当社はこのようなコンテンツが確認された場合に迅速に対応するための内部手続きを別途設けています。
アナリストによる実際の対応事例:
例1)
とある最近のケースでは、図に示す出会い系サイトを、適切なMCC 7273を設定していないとしてVIRPガイドライン違反として特定・報告しました。精査の結果、Apple App Storeにおける消費者からの低評価レビューや詐欺疑惑のパターンなど、さらなる兆候も判明しています。加えて、当該加盟店は暗号資産(仮想通貨)決済の導入やビザ申請サービスの提供を行っていますが、これらはいずれも詐欺や不正のリスクを高める要因となります。
例2)
こちらは、カスタム成人向けコンテンツを提供する加盟店アカウントを特定したケースです。この加盟店は必要なMCC 5967を使用しておらず、そのためVIRPガイドラインに違反しており、カードブランドからの監査や罰金の対象となる重大なリスクを抱えていました。
レジットスクリプトで規制動向を先取り
カードブランドの規制の変更に伴い、レジットスクリプトは新たな執行方針を反映するため、監視体制およびリスクフレームワークを継続的に更新しています。当社のアナリストチームは、リスクの高い加盟店を特定し、規制措置の対象となるリスクを軽減し、お客様のポートフォリオを保護できるよう支援します。
アクワイアラーおよび決済ファシリテーター向けの当社サポートの詳細については、Merchant Risk Solutionsをぜひご確認ください。


